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卵子凍結

卵子凍結とは

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私も 私の卵子も大切に

卵子凍結とはのイメージ画像

卵子凍結とは、将来の妊娠にそなえて卵子を凍結保存することをいいます。

加齢とともに、卵子の質が低下し妊娠率は下がります。また高齢になると、卵巣刺激をしても卵子を得ることが難しくなります。

若いうちに卵子凍結をしておくことで、将来子どもがほしいと思ったときに、凍結したときの年齢の卵子を使用することができます。卵子は凍結保護剤で適切に処理をし、-196℃の液体窒素内で保存することで、長期間保存することが可能です。

卵子凍結はどのような人に適しているか?

卵子凍結には、健康な女性が将来の妊娠に備えて卵子を凍結保存する『社会的適応』と、がん治療などで卵巣機能が低下する前に妊孕性を温存するために卵子を凍結保存する『医学的適応』があります。

卵子凍結は次のような方に適しています。

  • 今はパートナーがいないが将来子どもがほしい方
  • 仕事などの理由で今は子どもを望まない方
  • がん治療などで卵巣機能の低下が懸念される方

卵子凍結をご希望の方へ

卵子凍結を希望される方の事情はさまざまです。

当院では卵子凍結をお考えの方に、治療の流れ、料金、リスクなどを丁寧にご説明させていただきます。お話をしたのち、卵子凍結をするか判断していただいてかまいません。

どなた様もお気軽にお問い合わせください。

卵子凍結の手順

卵巣刺激

通常の月経では、左右どちらかの卵巣で1個の卵胞 (卵子が入った袋) が大きくなっていき、月経14日前後で袋が破れて1個の卵子が排卵されます。一方、卵子凍結では複数の卵子を得るために、排卵誘発剤を使用して複数の卵胞を発育させます。

これを卵巣刺激といい、当院では主に下記の方法を行っています。どのような刺激方法にするかは、ご年齢やホルモン値を参考に決めていきます。

ショート法

月経3日目以内に点鼻薬 (GnRHアゴニスト)を開始します。点鼻薬には、卵胞発育効果および発育した卵胞の排卵抑制効果があります。hMGの注射を月経3日目頃より開始し、経腟超音波で卵胞発育の状態を確認しながら連日注射を行います。卵胞が約18mmまで発育したら点鼻薬の使用を中止し、卵子の成熟を促すhCGの注射を行います。

GnRHアンタゴニスト法

月経3日目頃よりhMGの注射を開始し、経腟超音波で卵胞発育の状態を確認しながら連日注射を行います。卵胞が約14mmを越えた時点で、ガニレスト (GnRHアンタゴニスト)の注射を併用します。ガニレストには、発育した卵胞の排卵抑制効果があります。卵胞が約18mmまで発育したらガニレストの注射を中止し、卵子の成熟を促すhCGの注射を行います。

PPOS法(Progestin Primed Ovarian Stimulation)

月経3日目以内に黄体ホルモン剤を飲み始めます。黄体ホルモンには発育した卵胞の排卵抑制効果があります。hMGの注射を月経3日目頃黄体より開始し、経腟超音波で卵胞発育の状態を確認しながら連日注射を行います。卵胞が約18mmまで発育したら黄体ホルモン剤を中止し、卵子の成熟を促すhCGの注射を行います。

採卵

採卵のイメージ画像

卵子の成熟を促すhCGの注射を打ってから35時間後に採卵を行います。経膣の超音波プローブにつけた長い針で卵胞を穿刺し、卵子を採取します。静脈麻酔下にて、眠った状態で採卵を行います。採卵後は1~2時間安静にしたのちご帰宅いただきます。

凍結

凍結のイメージ画像

採卵当日に卵子を凍結します。採取した卵子の状態を確認し、成熟卵(精子を受け入れ可能な状態)のみを凍結します。未成熟卵や変性卵(形がくずれてしまった卵子)は凍結できません。卵子は凍結保護剤で適切に処理をし、-196℃の液体窒素内で保存します。

液体窒素内での凍結保存は、技術的には半永久的に可能ですが、1年ごとに更新料のお支払いと書面でのお手続きが必要になります。また、卵子の凍結保存とご使用は50歳の誕生日までとさせていただいております。

卵子融解後の流れ

凍結していた卵子を融解し、パートナーの精子と受精させ、受精卵(胚)を子宮に移植します。卵子を融解したい場合は、来院時期をご案内しますので、お電話にてお問い合わせください。

胚移植の準備

月経2日目から胚移植をする準備を始めます。ホルモン補充周期の場合は、卵胞ホルモン剤で子宮内膜を厚くしていき、途中から黄体ホルモン剤を使用することで、排卵後と同じような子宮の状態にします。

卵子の融解・受精・培養

卵子を融解し、精子と受精させます。受精方法は顕微授精になります。受精卵は順調に分割が進むと、培養5~6日目には胚盤胞という段階になります。

胚移植

胚を細いチューブに入れ、子宮に戻します。そこまで強い痛みはないので麻酔は使用しません。移植する胚の他に胚盤胞ができた場合は、再度凍結保存することが可能です。胚移植から約10日後に血液検査にて妊娠判定を行います。

注意点

  • なるべくたくさんの卵子を凍結するために、排卵誘発剤を使用して卵巣を刺激します。たくさん卵胞が育った場合は、採卵後に卵巣が腫れ、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になる可能性があります。重症の場合は入院管理が必要となります。
  • 卵子を凍結する際、卵子の周りにある卵丘細胞を除去する必要があります。卵丘細胞を除去した卵子には、卵子に精子を振りかけて受精させる”体外受精”はできません。よって融解後は、卵子に細い針で精子を注入する”顕微授精”をすることになります。
  • 受精卵の凍結に比べて卵子の凍結は、融解後に細胞が変性する確率が高いです。また、顕微授精をしても受精しない、発育がうまくいかず胚移植まで至らない可能性もあります。卵子凍結をすれば確実に妊娠出産ができるわけではありません。
  • 将来的に妊娠する確立を上げるためには、できるだけたくさんの卵子を凍結保存しておくことが望ましいです。1回の採卵で採れる卵子の数には個人差があるため、人によっては採卵を複数回行う必要があります。

プライス

卵子凍結および融解後の治療はすべて自費診療となります。料金の詳細はお問い合わせください。お住いの自治体によっては助成金が受けられる場合があります。ご確認ください。

実際に卵子凍結をするとどれくらいの金額になるのか、当院で卵子凍結をされた方を例にご紹介します。

料金例1
凍結卵子数 1個(凍結容器1本使用)
333,190円
料金例2
凍結卵子数 11個(凍結容器4本使用)
507,230円

上記金額は、月経開始から採卵当日までのすべての代金(診察・注射・薬・採卵・卵子凍結代金)を含んだ金額です。感染症検査およびAMH検査代金は含みません。

卵子凍結日から1年ごとに更新料のお支払いと書面でのお手続きが必要です。
1年ごとに下記の金額がかかります。(2025年7月更新分より改定)

更新基本料 8,800円 + 卵子1個あたり 5,500円

料金例
凍結卵子数が11個の場合の更新料
69,300円

※更新基本料は採卵周期ごとにかかります。